おおよそだいたい、合唱のこと。

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主に、管理人が参りました、合唱団の演奏会のロングレビューを掲載しております。
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ゆっくりしていってね!!!

2013年7月30日火曜日

【第29回宝塚国際室内合唱コンクール特別演奏会】

2013年7月28日 於 宝塚ベガ・ホール

正直、試験近いし(日付変わって今日とか)、やめとこうかと思っていたんですがねぇ。某団体が出るっていうからしょうがないですねぇ。
これも、書け的圧力を某所から受けた、気がした←
1日置いたから、ところどころ忘れているかも……

〈前日〉
某湘南系中国人さんのTwitterから結果を聞いていた処、なんと発展形鯱の団が次の日の特別演奏会に出るとのこと。否これはめでたい、是非馳せ参じようという次第。
さらに、ある団員を泊めてくれないかということで。快く宿を貸し出すものの、お湯は止めているため彼には銭湯に入ってもらう。ついでに自分も彼が来る前に1ヶ月ぶりに暖かいお風呂へ入る(くっそ気持ちええ!)
なお、その日は、彼を家に泊め、自分は家のスペースがない余り研究室で寝た模様。4ヶ月で何度、研究室で夜を明かしたっけ……(遠い目)

〈当日:演奏会前〉
ついでに朝一発目の練習見学させて頂きました。細かく記録を取っていたわけでもないので、内容を具体的に覚えているわけではないのですが、身体の使い方を気にする順序、あるいは、気にする場所などについて、とても勉強になりました。関係各位ありがとうございました。
直前練習は御暇し、ベガ・ホール近くの喫茶店へ。カレーが美味しいです。素揚げした(多分)じゃがいもとカレールーの相性が中々。ルーのとろみと雑穀米もgood。1日10食(鍋1個)限定だそう。ワシントンホテルの箸袋で出てきたので、その絡みの逸品かも。ドリンクついて800円。地元常連さんとわけあって会話したのも楽しかった。店主のおばちゃん、さすがに愛・地球博は「愛知花博」なる謎イベントに格下げしちゃいかんですわ。なお、やろうと思っていた試験勉強はほとんどしていない。やばい。

〈当日:演奏会〉
ホール:ここまで好みとドンピシャなホールに出会えるのはそうない。シューボックスタイプの理想とも言える、響くけれども決してステージ界隈で篭ることのない、それでいてかつ、客が入っても2秒程度残響が残る、素晴らしい音響だった。したがって歌い手は跳ね返り少ないみたいで大変そうでしたが、ちゃんと出せば pianissimo なんかも相当潤沢に響きそう。あるいは、武満徹に理想的なホールというとわかりやすいかもしれない。

概要:前日に行われた「宝塚国際室内合唱コンクール」海外団体+国内上位団体が出演するコンサート。プログラムは前日と変わったりするみたい。そもそも持ち時間が増えるとのこと。

1. 宝塚合唱連盟有志によるTICC女声合唱団(宝塚)
Ave Maria(Brahms)
Night Thoughts for Choruses III&IV(Chen Yi)
審査員の先生が地元の団を指揮しての演奏。この演奏で、ホールの素晴らしさを感じられました。最初がBrahmsだったというのも、そのリサーチによくはたらいた。後者はなにやら恋唄とのこと。歌そのものは、恐らく昔ながらの発声で、若い世代だと嫌われそうなベルカント風だったものの、決して下手くそではなかった。関西のポテンシャルを思い知らされる(幾度か目)。

2. Taipei Century Choir(台湾)【フォークロア部門銅賞】
Ave Maria(Ming-Chieh Lin)
Return to The Forest(Chen-Hui Jen)
A Bird(Taiwanese Folksong)
ホールの音響と非常に相性が良かった団。1曲目は、どっかで聞いたことがあった曲。カントゥスだったか、どっかの動画サイトだったか。この妙な疾走感が結構ツボに来る。アラカルトには入れてみたい感じ。あと、3曲目の衝撃のラスト感。ハーモニー綺麗な団だったので、素直に縦の揃う曲とかの方が良かったかもしれない。部門選択の問題かも……?
司会「えーっと、此方は……台湾のどちらからいらしたんですか?」指揮者「台北(Taipei)です」あのさぁ……笑

3. 《EST》シンガーズ(三重)【ルネサンス・バロック部門銀賞】
The Joiku(Linkola)〈女性〉
ALLELUIA(Whitacre)〈混声〉
1曲目の仕上がりはお見事。曲も楽しかったし、声を変えるのが相変わらずお上手な団。ロシア人受けが凄く良かった。2曲目も、さすがESTという出来にはなっていました。が、もう少しアンサンブル出来たような気がします。なにか、各パートがバラバラに出して結果揃っているという印象でした。しかし、向井先生の指揮は見てて元気が出てくる。

4.The Cygnus Vocal Octet(東京)【総合2位、兵庫県知事賞、ルネサンス・バロック部門金賞、近現代部門金賞】
Kondalilla(Leek)
天の元后 喜びたまえ(高田三郎)
Regina Caeli(Mocnik)
聖霊の続唱(高田三郎)
Veni(Nystedt)
旧ジャパンユースのメンバー有志が集まったというチート(いい意味で)集団。なんと2回集まっただけで邦人団体1位の座をかっさらっていったそうな。確かに間違いなく金賞にふさわしい演奏でした。特に1曲目の仕上がりは絶品。音響効果も考えた配列でお見事。全体的に楽譜の再現は抜群だったものの、何か、心に入ってくるものが足りなかった。こういう、規準のない表現は良くないとはわかってはいるのですが。

インタミ。審査員などではない、松原千振先生が観客としていらしていた。うむ、国際コンクール。

5. Choir UrFU(ロシア)【フォークロア部門銀賞、近現代部門金賞】
"Capricata a tre voci. Contrapunto bestiale alla mente" from "Festino nella sera del Giovedi Grasso avanti cena"(Banchieri)
Sakura(arr. Chilcott)
"Flower Duet" from "Lakmé"(Delibes)(選抜2名:アナウンスより推測)
Unknown Lady(Falik)
Spring water op.14 No.11(Rachmaninov)
ロシア民謡(タイトル不詳)
力強くて楽しい演奏だった。1曲目は非常に観客を沸かせました。ギラギラしていて、ところどころ技術的にコケているところがあることにはあったのだが、それにしても、歌が大好きで大好きで仕方ないんだなぁっていう、まさにそんな演奏。最初から最後まで圧倒されっぱなし。特に最後のロシア民謡は不詳だけれども是非またきいてみたいところ。選抜2名のデュエットも素晴らしかった。女声曲ながら1名はカウンターテナー!絶品でした。なお、コール・ロシアでは断じてない。ウラル工科大学とやらの学生団だそうです。あと、指揮がフルトヴェングラーだった。あらゆる意味で。

6. Ensemble Lorca(愛知)【フォークロア部門銀賞】
Gropen(Traditional)
No ví eg á té Jondalen og fri(Traditional)
Solbønn(Larsen)
Solistvals(Larsem)
Bruremarsj fra Valsøyfjord(Traditional)
当日の本目的のようなもの。ホールの使い方はどの団よりも美味かったです。恐らく、指揮者を囲むような隊列を組むと、響きが豊かなホールのため、小さくまとまって聞こえてしまうのだと思いました。演奏そのものも、非常に軽快でよかった。ただ、他方で、微妙に当たり切らないなど、アンサンブル面で細かいアラが目立った部分も。しかし他団と選曲傾向も違って、ステージとしてとても楽しめました。そしてなにより、あかねさんが全国津々浦々精鋭を集めた中で映える、テナーの独特の土着感(いや確かに精鋭なんだけれども)。唯一、うぃろうにコミットしたことのあるメンバーだけで構成された3人w

7. 愛知高等学校(愛知)【総合3位、近現代部門金賞】(女声)
MINIWAKNKA(Murray-Schafer)
いのちの歌(村松崇継)
糸(中島みゆき)
愛知県続き。ここが1位を取れなかったことがニュースだったそうな。十分上手いんですけどね。隣のおっちゃんは、マリー・シェーファーは昨日の方がハモってたなんて言ってましたが。あえていうなら、日本の中高学生団独特のイヤーな緊張感というのを若干感じたのがマイナスだったか。しかし、糸は絶品。まるで中京混カラオケにいるようなねちっこさで合わせてくるから凄まじい。ソプラノのソロとってたちっちゃい子が上手かったので注目。

8. Guangdong Experimental High School Choir(中国)【総合1位、フォークロア部門金賞、シアターピース部門銀賞、近現代部門金賞】
Borgoroditse Devo(Khvoshchinsky)
Noviori ani(Jennefelt)〈女声〉〈他混声〉
O Salutaris hostia(Esenvalds)
Oirad beilgee(Enkhbayar)
Blessings of eternity(Enkhbayar)〈ゲスト:本物のお坊さん〉
Hlohonolofatsa(St. HILAIRE)
本大会イチのチート集団だったのかもしれない。ハマるし、かつ表現の柔軟性が凄く高い。ちょっと、揃い方がキツすぎて聴衆が疲れる場面が最初の方はあったのですが、めくるめく様々な曲をステージで歌いまくり、本物のお坊さんと合わせるっていう超ロックな仕掛けまで入れた挙句、最後の曲はシアターピース曲(多分)。フリがさながらラインダンス!さながら日体大「集団行動」(http://www.youtube.com/watch?v=Afpc_EcohcY )!右へ左へ前へ後ろへヌルヌル動く。歌もブレない。メチャメチャ楽しかった。最後にはアンコール。曲名不明。最後は歌いながらホワイエへ退場。国際コンクールの受賞演奏でありながらホームコンサート感の大きい、このコンサートらしい演奏でした。

感想:レベルの高さ、と一口に言っても、色んなアプローチの取り方があるのだなぁと再認識させられました。確かに彼らは皆、厳しいコンクールを勝ち抜いてきた団体たちではあるのですが、それでも、それぞれの技術をミクロに見ると、ココが少し弱い、アソコがもっと頑張れた、と、要素要素に一長一短がある。でも、やっぱり「上手い」んです。どの演奏も魅せる。長所を伸ばして短所そのままでよい、という話ではない。でも、もっと自信をもってもいいのかもしれないなと思いました。朝日コンの選考規準だって、減点法ではなく、各審査員の好みを反映する、新増沢式なのですから。もっと冒険してみたいなぁと思いました。あと、歌いたくなる系コンサートでした。

のみーコール・その1:ベガホール近くのベンチで、ある録音を取りたい、という要請に付き合う。S井さんとI上さんとわたべ。I上さんが、何か飲み物を買ってくる、と言ってコープへ。戻ってきた手にはエビス。お空の下のビールって美味しいですねホント!乾杯して録音した後、近くの精肉店のコロッケを購入。美味しい。

のみーコール・その2:梅田へ移動。色々探して、近くの鳥屋へ。上のお二方に奢っていただいて、とり串やら鍋やら。美味しかった。特に、白湯鍋。あの味はたまらん。スガキヤ食べたくなる。そして、普段話さないレベルの深めの話を聞いてもらいつつ。話しすぎたかなーと思いつつも、こういう話もたまにはいいのかなって思う。此方に来ると、おもいっきり合唱や音楽の話をする機会ってどうしても制限されるので(演奏会レポートもその意味合いがあるのかも?)、本当に楽しかったです。ごちそうさまでした。

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